たまにひょっこり痩せこけたキツネと出会ったりしてびっくりすることもありますが、めったにありません。タヌキの死骸には何度かあいました。猫よりちょっと大きいくらい。
河原では群れからはぐれた鵜や白鷺、ゴイザギが川の小魚を狙っていたりします。物音もなく、せせらぎの音だけ聞こえる空間。荒川が大きくカーブしている場所なのでそこだけが外界から隔離されたスポットになっているので、とても静かな光景です。
新川は鳥たちの天国。何万羽もの雀が夕方にはもどってきて、竹林の森に姿を消します。新川の空いっぱいを何度も何度も旋回しながら、それぞれのお宿にすいこまれるようにして少しずついなくなるのです。一度目撃しましたが、その様子は実に不思議な感じです。雀ばかりではなく、やや大きめの鳥たちもここで暮らしています。芽吹きを始めた木々の枝と菜の花の絨毯の間を交互に飛びかいながら遊ぶのを見ていると時のたつのを忘れてしまいます。雲雀も麦畑から、歌いながら空にまっすぐ高く高く飛んでいくのですよ。
そういえばまだ開かれていない森には、蛇夫婦もいます。3年前、子ども遊びの森を間伐していた時に出会いました。でも最近は引っ越したみたいです。荒川にはこうした野生動物がたくさん暮らしているのです。 もう少し暖かくなると蝶が、夏のおわりには数え切れないくらいのトンボの里に。オハグロトンボが森野中を妖精のように飛びまわるのです。初夏になると、カッコウがやってきます。5月ころは夏の新川をご案内します。 風の花子